易経第 11 卦
泰
地天泰 · 通じ合う時を保つ
泰は、天地が交わり、上下が通じる卦です。よい時ですが、ただ安心する卦ではありません。通じている時こそ、周辺を忘れず、備えを続けます。
本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦
手入れに守られた夕暮れ
読卦への応用
第11卦 泰が示すこと
泰は、天地が交わり、上下が通じる卦です。よい時ですが、ただ安心する卦ではありません。通じている時こそ、周辺を忘れず、備えを続けます。 泰は、関係、制度、資源が通い、場がひらける時です。ただし泰は放っておいて保たれるものではありません。遠いもの、弱いもの、乾いた季節の備えまで見て、通じ合いを長く保ちます。
- 第11卦 泰は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「通じ合う時を保つ」というテーマを読む卦です。
- 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
- 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。
この卦が現れる時
- 場の形を静かに見直す時です。 泰は、天地が交わり、上下が通じる卦です。よい時ですが、ただ安心する卦ではありません。通じている時こそ、周辺を忘れず、備えを続けます。
- すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 泰は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
- 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。
この卦をどう活かすか
人との関わり
泰は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。
仕事と決定
まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。
内面の稽古
泰は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。
文脈とつまずきやすい所
- 第11卦 泰を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
- 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
- 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。
第 11 卦を文脈の中で読む
第 11 卦 よくある確認
第11卦 泰は何を意味しますか。
「通じ合う時を保つ」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。泰は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。
泰に変爻がある時はどう読みますか。
本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。
泰の之卦は未来を表しますか。
之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。
本文
卦辞と象伝
卦辞
卦辞:泰。小往き大来る。吉亨。
読み:小さく閉じるものが去り、大きく正しいものが来ます。通じ合い、吉で、ものごとがよく進みます。
象伝
象伝:天地交わる、泰。后(きみ)以て天地の道を財成(さいせい)し、天地の宜しきを輔相(ほしょう)し、以て民を左右(さゆう)す。
読み:天地が交わる時、治める者はその道を整え、天地のよさを助け、人々の暮らしを左右から支えます。
読卦の要点
卦の働き
泰は、関係、制度、資源が通い、場がひらける時です。ただし泰は放っておいて保たれるものではありません。遠いもの、弱いもの、乾いた季節の備えまで見て、通じ合いを長く保ちます。
上下の八卦
下卦は乾、上卦は坤です。内に天の力があり、外に地の受容があります。上と下、強さと厚みが交わって、ものごとが通ります。
物語図
物語では、村に三年のよい時が続きます。祖父は孫と堤を歩き、平安は水が少ない時に堤を直す人々によって保たれると教えます。
この物語図が合う理由
泰の物語図は、豊かな村をただ祝うのではなく、よい時を保つ手入れに焦点を置きます。平安は偶然の贈り物ではなく、注意によって受け継がれます。
六爻
爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。
爻辞:茅を抜くに茹たり。その彙と以にす。征けば吉。
読み:茅を抜くと根が連なって来ます。一つのよい動きが仲間を伴い、進めば吉です。
爻辞:荒を包み、河を馮り、遐を遺れず。朋を亡う。中行に尚うを得。
読み:荒いものも包み、大河も渡り、遠いものを忘れません。仲間内に偏らず、中道を歩めます。
爻辞:平らかにして陂かざるなく、往きて復らざるなし。艱貞なれば咎なし。恤うるなかれ、その孚において食に福あり。
読み:平らなものもやがて傾き、行くものは戻ります。よい時の中で艱難を思い、正しさを守れば咎はありません。
爻辞:翩翩として富まず、その隣を以てす。戒めずして孚あり。
読み:軽やかに下り、富を誇りません。隣とともにあり、戒めなくても信が通います。
爻辞:帝乙、妹を帰がしむ。以て祉あり。元吉。
読み:高いものが低いものへ身を下げ、結びを作ります。そこに福があり、大いに吉です。
爻辞:城、隍に復る。師を用うるなかれ。邑より命を告ぐ。貞なれども吝。
読み:城壁が崩れて堀へ戻ります。外へ力を出す時ではなく、まず内へ命を告げ、中心を固めます。