六十四卦一覧
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易経第 12 卦

天地否 · 閉塞の中で徳を守る

否は、天地が交わらず、気脈が閉じる卦です。通じない時に無理に栄えようとすると、正しさを損ないます。まず退き、守るべきものを守ります。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第12卦 否の物語図。庭で守られる種。 庭で守られる種

読卦への応用

第12卦 否が示すこと

否は、天地が交わらず、気脈が閉じる卦です。通じない時に無理に栄えようとすると、正しさを損ないます。まず退き、守るべきものを守ります。 否は、話が通らず、場の価値が乱れ、正しい働きが届きにくい時です。ここで勝とうとするより、身を引いて種を守ります。小さな閉塞の奥にも、後に転じる時はあります。

  • 第12卦 否は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「閉塞の中で徳を守る」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 否は、天地が交わらず、気脈が閉じる卦です。通じない時に無理に栄えようとすると、正しさを損ないます。まず退き、守るべきものを守ります。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 否は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

否は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

否は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第12卦 否を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 12 卦を文脈の中で読む

第 12 卦 よくある確認

第12卦 否は何を意味しますか。

「閉塞の中で徳を守る」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。否は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

否に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

否の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:否。人に匪(あら)ず。君子の貞に利ろしからず。大往き小来る。

読み:閉塞の時です。君子が正しさを押し出しても、今は利がありません。大きく正しいものは去り、小さく濁ったものが近づきます。

象伝

象伝:天地交わらず、否。君子以て徳を倹にし難を辟け、栄するに禄を以てすべからず。

読み:天地が交わらない時、君子はこれを見て、徳を内に収めて難を避けます。表の栄えや禄で身を飾ってはいけません。

読卦の要点

卦の働き

否は、話が通らず、場の価値が乱れ、正しい働きが届きにくい時です。ここで勝とうとするより、身を引いて種を守ります。小さな閉塞の奥にも、後に転じる時はあります。

上下の八卦

下卦は坤、上卦は乾です。地は下へ、天は上へ離れ、交わりません。受ける力と創始する力が通路を失っています。

上卦:乾(天) 健やかな創始
下卦:坤(地) 受けとめる厚み

物語図

物語では、学者が腐った朝廷で忠告を重ねますが、聞かれません。彼は庭へ退き、種を育て、学生に教え、閉じた時代の中で未来を保ちます。

第1図 誤ったものが尊ばれる朝廷
第2図 無視される上申
第3図 止めるよう告げる友
第4図 庭で守られる種
第5図 長く続く静かな教え
第6図 未来から訪れる使者

この物語図が合う理由

否の物語図は、凍った地に種を無理に植えない知恵を描きます。通じない場で名を求めず、種を生かすことが、この卦の強さです。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初六 陰爻

爻辞:茅を抜くに茹たり。その彙と以にす。貞吉亨。

読み:茅の根が連なるように、同じ志の者とともに退きます。正しさを守れば吉で通ります。

六二 陰爻

爻辞:包承す。小人吉。大人否にして亨。

読み:小人には都合よく見える閉塞です。大人はそこで迎合せず、否を否として保つことで通ります。

六三 陰爻

爻辞:羞を包む。

読み:恥を内に含んでいます。間違ったものに寄った羞恥を認めることが、転じる入口です。

九四 陽爻

爻辞:命あり。咎なし。疇、祉に離く。

読み:正しい命を受けて動くなら咎はありません。同じ志の者も福に連なります。

九五 陽爻

爻辞:否を休む。大人吉。それ亡びんそれ亡びんと、苞桑に繋ぐ。

読み:閉塞が休み始めます。それでも油断せず、桑の根に結びつけるように、転機を確かなものへ繋ぎます。

上九 陽爻

爻辞:否を傾く。先には否、後には喜ぶ。

読み:否が傾き、閉塞が終わります。先には塞がっていても、後には喜びがあります。