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易経第 23 卦

山地剥 · 剥がれゆく時に下を厚くする

剥は、下から少しずつ削られ、形が保ちにくくなる卦です。進むことに利はありません。上にある者ほど、下を厚くして住まいを安んじる必要があります。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第23卦 剥の物語図。肌寒い部屋で支える柱。 肌寒い部屋で支える柱

読卦への応用

第23卦 剥が示すこと

剥は、下から少しずつ削られ、形が保ちにくくなる卦です。進むことに利はありません。上にある者ほど、下を厚くして住まいを安んじる必要があります。 剥は、支えが下から失われる卦です。始めは足元、次に床の縁、やがて肌に近いところまで及びます。ここで強く進むと、さらに剥がれます。残すべき実を守り、弱い土台を厚くします。

  • 第23卦 剥は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「剥がれゆく時に下を厚くする」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 剥は、下から少しずつ削られ、形が保ちにくくなる卦です。進むことに利はありません。上にある者ほど、下を厚くして住まいを安んじる必要があります。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 剥は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

剥は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

剥は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第23卦 剥を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 23 卦を文脈の中で読む

第 23 卦 よくある確認

第23卦 剥は何を意味しますか。

「剥がれゆく時に下を厚くする」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。剥は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

剥に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

剥の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:剥。往くところあるに利ろしからず。

読み:剥は、進むことに利がありません。削られている時に外へ伸ばすより、まず土台と身近な場を守ります。

象伝

象伝:山、地に附く、剥。上以て下を厚くし宅を安んず。

読み:山が地に付いています。上に立つ者は下を厚くし、住まいを安らかにして、剥がれを広げないようにします。

読卦の要点

卦の働き

剥は、支えが下から失われる卦です。始めは足元、次に床の縁、やがて肌に近いところまで及びます。ここで強く進むと、さらに剥がれます。残すべき実を守り、弱い土台を厚くします。

上下の八卦

下卦は坤、上卦は艮です。内には地の受容、外には山の止まりがあります。山はまだ見えますが、その下の支えが問われています。

上卦:艮(山) 止まり、養うこと
下卦:坤(地) 受けとめる厚み

物語図

物語では、丘の上の家の床が少しずつ傷みます。主人は高い飾りを増やすのをやめ、床下へ入り、柱を支え、最後の果実を種として残します。

第1図 丘の上に立つ古い家
第2図 床の足元から剥がれる板
第3図 床下へ入る主人
第4図 肌寒い部屋で支える柱
第5図 魚を連ねる慎ましい列
第6図 食べずに残された大きな果実

この物語図が合う理由

剥の物語図は、崩れを劇的な終わりではなく、足元から進む過程として描きます。剥がれを見た時、何を削り、何を残すかが読みの中心です。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初六 陰爻

爻辞:牀を剥するに足を以てす。貞を蔑(ないがし)ろにすれば凶。

読み:床の足元から剥がれます。正しさの土台を軽んじれば凶です。

六二 陰爻

爻辞:牀を剥するに辨(へり)を以てす。貞を蔑(ないがし)ろにすれば凶。

読み:剥がれは床の縁へ進みます。境目の支えが失われ、正しさを軽んじれば凶です。

六三 陰爻

爻辞:これを剥す。咎なし。

読み:剥がれるものから離れます。全体に引きずられず、咎はありません。

六四 陰爻

爻辞:牀を剥するに膚を以てす。凶。

読み:剥がれが肌に及ぶほど近くなっています。身に迫る危うさで、凶です。

六五 陰爻

爻辞:貫魚、宮人を以て寵せらる。利ろしからざるなし。

読み:魚を連ねるように秩序を整え、柔らかく従います。正しく並べば、利のないものはありません。

上九 陽爻

爻辞:碩果食われず。君子は輿を得、小人は廬を剥す。

読み:大きな果実は食べられず残ります。君子は載せる車を得ますが、小人は自分の家まで剥がしてしまいます。