易経第 24 卦
復
地雷復 · 帰り来る初めの力
復は、雷が地中にあり、失われた陽が一つ戻る卦です。大きく動く前の、静かな回復です。戻る道を急がず、閉じて養う時を大切にします。
本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦
冬至に閉じられた関
読卦への応用
第24卦 復が示すこと
復は、雷が地中にあり、失われた陽が一つ戻る卦です。大きく動く前の、静かな回復です。戻る道を急がず、閉じて養う時を大切にします。 復は、戻る力の卦です。大きく勝ち戻るのではなく、遠くないところで気づき、よい復り方を選びます。頻りに戻る危うさも、厚く戻る安定も、迷って戻れない凶もあります。
- 第24卦 復は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「帰り来る初めの力」というテーマを読む卦です。
- 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
- 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。
この卦が現れる時
- 場の形を静かに見直す時です。 復は、雷が地中にあり、失われた陽が一つ戻る卦です。大きく動く前の、静かな回復です。戻る道を急がず、閉じて養う時を大切にします。
- すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 復は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
- 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。
この卦をどう活かすか
人との関わり
復は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。
仕事と決定
まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。
内面の稽古
復は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。
文脈とつまずきやすい所
- 第24卦 復を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
- 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
- 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。
第 24 卦を文脈の中で読む
第 24 卦 よくある確認
第24卦 復は何を意味しますか。
「帰り来る初めの力」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。復は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。
復に変爻がある時はどう読みますか。
本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。
復の之卦は未来を表しますか。
之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。
本文
卦辞と象伝
卦辞
卦辞:復。亨。出入疾なし、朋来たりて咎なし。反復その道、七日にして来復す。往くところあるに利ろし。
読み:復は通ります。出入りに病はなく、友が来ても咎はありません。道は反復し、時を経て戻ります。戻った力をもって進むことに利があります。
象伝
象伝:雷、地中に在り、復。先王以て至日に関を閉じ、商旅行かず、后(きみ)、方を省みず。
読み:雷はまだ地中にあります。古の王は冬至の日に関を閉じ、商旅を行かせず、巡察もしません。戻る力を静かに養うためです。
読卦の要点
卦の働き
復は、戻る力の卦です。大きく勝ち戻るのではなく、遠くないところで気づき、よい復り方を選びます。頻りに戻る危うさも、厚く戻る安定も、迷って戻れない凶もあります。
上下の八卦
下卦は震、上卦は坤です。内には雷の初動、外には地の受容があります。動きはまだ地中に含まれ、静かな回復として育ちます。
物語図
物語では、旅人が冬至の関で足を止めます。門は閉じていますが、火は消えていません。彼は急がず靴を直し、翌朝、来た道を少し戻って本来の道を見つけます。
この物語図が合う理由
復の物語図は、閉じた門を失敗ではなく回復の器として描きます。止まる、戻る、友が来る、道がめぐるという動きが、六爻の復り方を支えます。
六爻
爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。
爻辞:遠からずして復る。悔に祇るなし。元吉。
読み:遠くまで行かないうちに戻ります。大きな悔いに至らず、大いに吉です。
爻辞:休復。吉。
読み:よい復り方です。穏やかに戻るので吉です。
爻辞:頻復。厲けれども咎なし。
読み:何度も戻ります。危うさはありますが、戻ろうとする働きがあるので咎はありません。
爻辞:中行、独り復る。
読み:中道を行き、独りで戻ります。周囲に流されず、戻るべき道を選びます。
爻辞:敦復。悔なし。
読み:厚く戻ります。浅い反省ではなく、深く復るので悔いはありません。
爻辞:迷復。凶。災眚(わざわい)あり。用て師を行れば、終に大敗あり。その国君を以て凶。十年に至るまで征する克わず。
読み:戻る道に迷っています。このまま大きな力を動かせば大敗に至ります。長く征することもできません。まず迷いを認めます。