六十四卦一覧
25
無妄
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易経第 25 卦

無妄

天雷無妄 · 作為を離れ真に応じる

無妄は、雷が天の下に動き、ものごとが本来のままに起こる卦です。何もしないという意味ではありません。作為や私意を減らし、時に対して真っ直ぐ応じることを見ます。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第25卦 無妄の物語図。嵐の前に牛をつなぐ牧人。 嵐の前に牛をつなぐ牧人

読卦への応用

第25卦 無妄が示すこと

無妄は、雷が天の下に動き、ものごとが本来のままに起こる卦です。何もしないという意味ではありません。作為や私意を減らし、時に対して真っ直ぐ応じることを見ます。 無妄は、余計な作為を捨てる卦です。誠実に進めば吉ですが、正しさに見せかけた欲や、結果を急ぐ心が混じると、思いがけない災いになります。読卦では、今の行動が本当に時にかなっているかを見ます。

  • 第25卦 無妄は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「作為を離れ真に応じる」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 無妄は、雷が天の下に動き、ものごとが本来のままに起こる卦です。何もしないという意味ではありません。作為や私意を減らし、時に対して真っ直ぐ応じることを見ます。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 無妄は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

無妄は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

無妄は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第25卦 無妄を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 25 卦を文脈の中で読む

第 25 卦 よくある確認

第25卦 無妄は何を意味しますか。

「作為を離れ真に応じる」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。無妄は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

無妄に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

無妄の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:無妄。元亨、利貞。それ正に匪ざれば眚あり。往くところあるに利ろしからず。

読み:無妄は大きく通り、正しさを守れば利があります。ただし正しさから外れれば眚があります。私意で先へ進むことには利がありません。

象伝

象伝:天下に雷行く、物与に無妄。先王以て茂(さか)んに時に対し、万物を育(やしな)う。

読み:天の下に雷が行き、万物はそれぞれの真に沿って動きます。古の先王はこの象を見て、時に厚く応じ、無理に形を作らず、万物を育てました。

読卦の要点

卦の働き

無妄は、余計な作為を捨てる卦です。誠実に進めば吉ですが、正しさに見せかけた欲や、結果を急ぐ心が混じると、思いがけない災いになります。読卦では、今の行動が本当に時にかなっているかを見ます。

上下の八卦

下卦は震、上卦は乾です。内には雷の動き、外には天の健やかさがあります。動きは強い秩序の下にあり、私意ではなく天の時に従います。

上卦:乾(天) 健やかな創始
下卦:震(雷) 動き出す力

物語図

物語では、若い牧人が嵐の前に牛をつなぎます。旅人がその牛を得て去り、村人は損を受けます。牧人は責めるより、何を自分の作為とし、何を時の出来事として受けるかを学びます。

第1図 天の下を走る雷
第2図 嵐の前に牛をつなぐ牧人
第3図 畑に残された鋤
第4図 牛を連れて去る旅人
第5図 薬を置かず見守る病床
第6図 進む前に足を止める門

この物語図が合う理由

無妄の物語図は、真っ直ぐな一歩と、思いがけない災いを並べます。薬を加えない病、行けば眚ある終わりが、作為を減らす読みを支えます。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初九 陽爻

爻辞:無妄。往きて吉。

読み:作為なく真っ直ぐです。このまま進めば吉です。

六二 陰爻

爻辞:耕さずして穫、菑せずして畬すれば、往くところあるに利ろし。

読み:耕さずに収穫し、開墾せずに畑を得るような時です。得ようとして作ったものではないなら、進むことに利があります。

六三 陰爻

爻辞:無妄の災。或いはこれが牛を繋ぐ。行人の得、邑人の災。

読み:無妄の災いです。誰かが牛をつなぎ、旅人が得て、村人が災いを受けます。自分の作為ではない損失も起こります。

九四 陽爻

爻辞:貞にすべし。咎なし。

読み:正しさに留まるべきです。余計に動かず、守るなら咎はありません。

九五 陽爻

爻辞:無妄の疾。薬すること勿れ、喜びあり。

読み:作為のない病です。むやみに薬を加えず、自然に整うところを待てば喜びがあります。

上九 陽爻

爻辞:無妄。行けば眚あり。利ろしきところなし。

読み:無妄であっても、ここでさらに進めば眚があります。利のあるところはありません。