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易経第 31 卦

沢山咸 · 感じ応じる心を澄ます

咸は、沢が山の上にあり、互いに感じ応じる卦です。心が動くことは力ですが、足先、ふくらはぎ、股、背、口と、どこで反応しているかを見分けます。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第31卦 咸の物語図。言葉が先に動く口元。 言葉が先に動く口元

読卦への応用

第31卦 咸が示すこと

咸は、沢が山の上にあり、互いに感じ応じる卦です。心が動くことは力ですが、足先、ふくらはぎ、股、背、口と、どこで反応しているかを見分けます。 咸は、感応と関係の卦です。反応が浅いところにある時、居て吉となる時、思いに朋が従う時、言葉だけで動く時があります。読卦では、感じたことをすぐ行動にせず、その源と深さを見ます。

  • 第31卦 咸は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「感じ応じる心を澄ます」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 咸は、沢が山の上にあり、互いに感じ応じる卦です。心が動くことは力ですが、足先、ふくらはぎ、股、背、口と、どこで反応しているかを見分けます。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 咸は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

咸は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

咸は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第31卦 咸を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 31 卦を文脈の中で読む

第 31 卦 よくある確認

第31卦 咸は何を意味しますか。

「感じ応じる心を澄ます」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。咸は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

咸に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

咸の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:咸。亨、利貞。女を取るに吉。

読み:咸は通り、正しさを守れば利があります。婚姻のように、互いに感じ応じる結びには吉があります。

象伝

象伝:山上に沢あり、咸。君子以て虚にして人を受く。

読み:山の上に沢があります。君子はこれを見て、心を空しくして人を受けます。満ち足りて主張するより、受ける余地こそが感応を生みます。

読卦の要点

卦の働き

咸は、感応と関係の卦です。反応が浅いところにある時、居て吉となる時、思いに朋が従う時、言葉だけで動く時があります。読卦では、感じたことをすぐ行動にせず、その源と深さを見ます。

上下の八卦

下卦は艮、上卦は兌です。内には山の止まり、外には沢の開きがあります。内側に止まる静けさがあり、外には親しむ開きがあります。

上卦:兌(沢) 開き、親しむこと
下卦:艮(山) 止まり、養うこと

物語図

物語では、山上の池で二人の若者が水面の波を見ます。風が来るたび心は動きますが、言葉を急がず、互いの沈黙を受けることで本当の応答が生まれます。

第1図 山上に静かにある沢
第2図 水面の波を見つめる二人
第3図 足先だけが動く瞬間
第4図 留まって心を澄ます姿
第5図 背中で受け止める静けさ
第6図 言葉が先に動く口元

この物語図が合う理由

咸の物語図は、身体の部位を通して感応の浅深を描きます。足先から口まで、動かされる場所が変わることで、関係の成熟と危うさが見えます。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初六 陰爻

爻辞:その拇に咸ず。

読み:足の親指に感じています。感応はまだ浅く、動きの端にあります。

六二 陰爻

爻辞:その腓に咸ず。凶。居れば吉。

読み:ふくらはぎに感じ、動き出しそうです。進めば凶ですが、居れば吉です。

九三 陽爻

爻辞:その股に咸ず。執るに随う。往けば吝。

読み:股に感じ、執着に従って動きます。そのまま往けば吝です。

九四 陽爻

爻辞:貞吉、悔亡ぶ。憧憧として往来すれば、朋爾の思いに従う。

読み:正しければ吉で、悔いは亡びます。ただし憧れに揺れて往来すれば、朋はあなたの思いに従うだけになります。

九五 陽爻

爻辞:その脢に咸ず。悔なし。

読み:背の肉に感じています。強く外へ動く場所ではなく、悔いはありません。

上六 陰爻

爻辞:その輔頬舌に咸ず。

読み:頬と舌に感じています。言葉だけが先に動く感応です。