六十四卦一覧
32
雷風恒
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易経第 32 卦

雷風恒 · 変わる中で方を保つ

恒は、雷と風がともに動き、変化の中に持続がある卦です。同じ形を固めることではなく、立つ方を易えず、日々の変化を通して守るものを保ちます。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第32卦 恒の物語図。揺れ続ける最後の灯火。 揺れ続ける最後の灯火

読卦への応用

第32卦 恒が示すこと

恒は、雷と風がともに動き、変化の中に持続がある卦です。同じ形を固めることではなく、立つ方を易えず、日々の変化を通して守るものを保ちます。 恒は、関係、仕事、修養、約束を長く保つ卦です。深く掘りすぎる恒、悔いが亡ぶ恒、徳を保てない恒、狩りに成果がない恒が分かれます。読卦では、何を変えず、何を変えるべきかを見ます。

  • 第32卦 恒は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「変わる中で方を保つ」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 恒は、雷と風がともに動き、変化の中に持続がある卦です。同じ形を固めることではなく、立つ方を易えず、日々の変化を通して守るものを保ちます。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 恒は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

恒は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

恒は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第32卦 恒を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 32 卦を文脈の中で読む

第 32 卦 よくある確認

第32卦 恒は何を意味しますか。

「変わる中で方を保つ」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。恒は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

恒に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

恒の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:恒。亨。咎なし。利貞。往くところあるに利ろし。

読み:恒は通り、咎はありません。正しさを守れば利があり、進むところにも利があります。持続は止まることではなく、筋を保って進むことです。

象伝

象伝:雷風、恒。君子以て立ちて方を易えず。

読み:雷と風があります。君子はこれを見て、立って、自分の方を易えません。外の動きがあっても、向かう筋を保ちます。

読卦の要点

卦の働き

恒は、関係、仕事、修養、約束を長く保つ卦です。深く掘りすぎる恒、悔いが亡ぶ恒、徳を保てない恒、狩りに成果がない恒が分かれます。読卦では、何を変えず、何を変えるべきかを見ます。

上下の八卦

下卦は巽、上卦は震です。内には風の入りこむ働き、外には雷の動きがあります。見えないところから入り、外へ動き続ける力です。

上卦:震(雷) 動き出す力
下卦:巽(風) 入りこむはたらき

物語図

物語では、灯台守が長い季節を越えて火を保ちます。嵐の日も晴れの日も同じではありませんが、向ける光の方は変えません。

第1図 雷と風がめぐる空
第2図 季節を越える灯台守
第3図 深く掘りすぎた井戸端
第4図 同じ方へ向けられる灯
第5図 獲物のない静かな野
第6図 揺れ続ける最後の灯火

この物語図が合う理由

恒の物語図は、持続を硬直としてではなく、風と雷の反復として描きます。深く掘りすぎる初め、徳を保てない中ほど、最後に振れてしまう姿が、常を保つ難しさを示します。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初六 陰爻

爻辞:浚恒。貞凶。利ろしきところなし。

読み:深く掘りすぎる恒です。正しく見えても凶で、利のあるところはありません。

九二 陽爻

爻辞:悔亡ぶ。

読み:悔いは亡びます。中を得て、持続の道にかなっています。

九三 陽爻

爻辞:その徳を恒にせず。或いはこれが羞を承く。貞なれども吝。

読み:徳を恒に保てません。恥を受けることがあり、正しくても吝です。

九四 陽爻

爻辞:田に禽なし。

読み:狩りの野に獲物がいません。続けていても、場所や方法が合っていません。

六五 陰爻

爻辞:その徳を恒にす。貞。婦人は吉、夫子は凶。

読み:徳を恒に保ちます。守り従う立場には吉ですが、主導すべき者がただ従うだけなら凶です。

上六 陰爻

爻辞:振恒。凶。

読み:持続が揺れ動いています。落ち着くべきところで振れ続けるので凶です。