六十四卦一覧
33
天山遯
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易経第 33 卦

天山遯 · 時に退いて節度を保つ

遯は、天の下に山がある卦です。進む力をただ弱めるのではなく、退くべき時に退き、近づきすぎたものから静かに距離を取ることを示します。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第33卦 遯の物語図。尾を引く山道の足跡。 尾を引く山道の足跡

読卦への応用

第33卦 遯が示すこと

遯は、天の下に山がある卦です。進む力をただ弱めるのではなく、退くべき時に退き、近づきすぎたものから静かに距離を取ることを示します。 遯は、関係、仕事、考え方から退くべき時を読む卦です。尾に残る危うさ、強く結ばれて説けないもの、よい退き方、豊かな退き方があります。読卦では、何から離れ、何を守るために退くのかを見ます。

  • 第33卦 遯は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「時に退いて節度を保つ」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 遯は、天の下に山がある卦です。進む力をただ弱めるのではなく、退くべき時に退き、近づきすぎたものから静かに距離を取ることを示します。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 遯は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

遯は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

遯は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第33卦 遯を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 33 卦を文脈の中で読む

第 33 卦 よくある確認

第33卦 遯は何を意味しますか。

「時に退いて節度を保つ」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。遯は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

遯に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

遯の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:遯。亨。小貞に利ろし。

読み:遯は通ります。小さく正しさを守ることに利があります。大きく争うより、退いて筋を保つ時です。

象伝

象伝:天下に山あり、遯。君子以て小人を遠ざけ、悪まずして厳なり。

読み:天の下に山があります。君子はこれを見て、小人を遠ざけ、憎むことなく、しかも節度を厳しく保ちます。

読卦の要点

卦の働き

遯は、関係、仕事、考え方から退くべき時を読む卦です。尾に残る危うさ、強く結ばれて説けないもの、よい退き方、豊かな退き方があります。読卦では、何から離れ、何を守るために退くのかを見ます。

上下の八卦

下卦は艮、上卦は乾です。内には山の止まり、外には天の健やかさがあります。内側で止まる力があるからこそ、外の大きな力に引きずられずに退けます。

上卦:乾(天) 健やかな創始
下卦:艮(山) 止まり、養うこと

物語図

物語では、山寺の門人が里の騒がしさから身を引きます。逃げるのではなく、守るべき書物と静けさを抱え、門を閉じ、なお恨みを残しません。

第1図 天の下にそびえる山
第2図 山門へ退く門人
第3図 尾を引く山道の足跡
第4図 黄牛の革で結ばれた荷
第5図 静かに閉じられる門
第6図 広い尾根へ抜ける旅人

この物語図が合う理由

遯の物語図は、退くことを弱さではなく節度として描きます。尾に残る初め、革で結ばれる関係、よく退く中ほど、肥えた退きの終わりが、離れる技を支えます。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初六 陰爻

爻辞:遯尾。厲うし。往くところあるに用うるなかれ。

読み:退く尾にいます。危うく、進むところに用いるべきではありません。まず遅れを自覚します。

六二 陰爻

爻辞:これを執るに黄牛の革を用う。これを勝げて説くなし。

読み:黄牛の革でしっかり執ります。簡単には説けません。退くにも、守る結びがあります。

九三 陽爻

爻辞:係遯。疾あり厲うし。臣妾を畜うは吉。

読み:つながれたまま退きます。病み、危うさがあります。近い務めを養うなら吉です。

九四 陽爻

爻辞:好遯。君子は吉、小人は否。

読み:好い退き方です。君子には吉ですが、小人にはそうなりません。退く理由の清さが分かれ目です。

九五 陽爻

爻辞:嘉遯。貞吉。

読み:よい遯です。正しさを守れば吉です。退くことが秩序を保ちます。

上九 陽爻

爻辞:肥遯。利ろしからざるなし。

読み:豊かに退きます。余裕があり、利のないところはありません。離れることが十分に成っています。