易経第 39 卦
蹇
水山蹇 · 進みにくさの中で身を返す
蹇は、山の上に水がある卦です。前へ進みにくく、足を取られます。無理に突き進むより、身に返り、助けの来る方を見ます。
本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦
戻って誉れを得る旅人
読卦への応用
第39卦 蹇が示すこと
蹇は、山の上に水がある卦です。前へ進みにくく、足を取られます。無理に突き進むより、身に返り、助けの来る方を見ます。 蹇は、障害、遅れ、進みにくさを読む卦です。往けば蹇み、来れば誉れがある初め、王臣の困難、朋が来る時、碩きものとなって帰る終わりがあります。読卦では、進めない事実を責めず、どこへ返るかを見ます。
- 第39卦 蹇は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「進みにくさの中で身を返す」というテーマを読む卦です。
- 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
- 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。
この卦が現れる時
- 場の形を静かに見直す時です。 蹇は、山の上に水がある卦です。前へ進みにくく、足を取られます。無理に突き進むより、身に返り、助けの来る方を見ます。
- すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 蹇は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
- 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。
この卦をどう活かすか
人との関わり
蹇は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。
仕事と決定
まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。
内面の稽古
蹇は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。
文脈とつまずきやすい所
- 第39卦 蹇を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
- 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
- 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。
第 39 卦を文脈の中で読む
第 39 卦 よくある確認
第39卦 蹇は何を意味しますか。
「進みにくさの中で身を返す」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。蹇は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。
蹇に変爻がある時はどう読みますか。
本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。
蹇の之卦は未来を表しますか。
之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。
本文
卦辞と象伝
卦辞
卦辞:蹇。西南に利ろし。東北に利ろしからず。大人を見るに利ろし。貞吉。
読み:蹇は、西南に利があり、東北には利がありません。大人を見ることに利があり、正しければ吉です。進む方角を選びます。
象伝
象伝:山上に水あり、蹇。君子以て身に反り徳を修む。
読み:山の上に水があります。君子はこれを見て、身に返り、徳を修めます。外の障害だけでなく、自分の立ち方も見直します。
読卦の要点
卦の働き
蹇は、障害、遅れ、進みにくさを読む卦です。往けば蹇み、来れば誉れがある初め、王臣の困難、朋が来る時、碩きものとなって帰る終わりがあります。読卦では、進めない事実を責めず、どこへ返るかを見ます。
上下の八卦
下卦は艮、上卦は坎です。内には山の止まり、外には水の険があります。止まる内側と険しい外側が重なり、道は狭くなります。
物語図
物語では、山道を行く一行が雨の水に阻まれます。先へ急ぐ者ほど苦しみますが、戻って火を囲むと、仲間と師が来て、進むべき方角が見えます。
この物語図が合う理由
蹇の物語図は、山と水の阻みを通して、進めない時の返り方を描きます。往けば蹇む、来れば誉れがある、朋が来る、大人を見るという流れが、困難の読みを支えます。
六爻
爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。
爻辞:往けば蹇み、来れば誉れあり。
読み:往けば進みにくく、来れば誉れがあります。引き返すことが失敗ではありません。
爻辞:王臣蹇蹇たり。躬の故に匪ず。
読み:王臣は困難を重ねています。それは自分のためではありません。務めとして受けています。
爻辞:往けば蹇み、来れば反る。
読み:往けば進みにくく、来れば反ります。外へ押すより、身を返すことがかないます。
爻辞:往けば蹇み、来れば連なる。
読み:往けば進みにくく、来れば連なります。戻ることで助けとつながります。
爻辞:大いに蹇む。朋来る。
読み:大きく進みにくい時です。朋が来ます。困難の中心に助けが集まります。
爻辞:往けば蹇み、来れば碩なり。吉。大人を見るに利ろし。
読み:往けば進みにくく、来れば大きなものになります。吉です。大人を見ることに利があります。