六十四卦一覧
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易経第 5 卦

水天需 · 信を保って待つ

需は、雨雲が天にあり、まだ降っていない卦です。待つことは空白ではありません。信を保ち、身を養い、渡るべき時を見極めます。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第5卦 需の物語図。穴から出る人。 穴から出る人

読卦への応用

第5卦 需が示すこと

需は、雨雲が天にあり、まだ降っていない卦です。待つことは空白ではありません。信を保ち、身を養い、渡るべき時を見極めます。 需は、準備が進んでいるのに、まだ動くべき時ではない状態です。焦りが最も危うい相手です。何もしないのではなく、体力、信頼、手順、約束を整えて、渡れる時を待ちます。

  • 第5卦 需は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「信を保って待つ」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 需は、雨雲が天にあり、まだ降っていない卦です。待つことは空白ではありません。信を保ち、身を養い、渡るべき時を見極めます。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 需は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

需は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

需は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第5卦 需を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 5 卦を文脈の中で読む

第 5 卦 よくある確認

第5卦 需は何を意味しますか。

「信を保って待つ」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。需は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

需に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

需の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:需は孚(まこと)あり、光(おお)いに亨(とお)り、貞(ただ)しくして吉。大川を渉るに利ろし。

読み:内に信があり、明るく通り、正しさを守るなら吉です。待つ力が整えば、大きな川を渡ることもできます。

象伝

象伝:雲、天に上る、需。君子以て飲食宴楽す。

読み:雲は天に上りましたが、雨はまだです。君子は焦らず、飲食と楽しみによって心身と関係を保ちます。

読卦の要点

卦の働き

需は、準備が進んでいるのに、まだ動くべき時ではない状態です。焦りが最も危うい相手です。何もしないのではなく、体力、信頼、手順、約束を整えて、渡れる時を待ちます。

上下の八卦

下卦は乾、上卦は坎です。内には健やかな力があり、外には水の険があります。力があるからこそ、険に入る時を選びます。

上卦:坎(水) 険を通る流れ
下卦:乾(天) 健やかな創始

物語図

郊外、砂、泥、血、酒食、穴へと、待つ場所が変わっていきます。距離の取り方が、そのまま吉凶の差になります。

第1図 遠い郊外で待つ人
第2図 砂辺に立つ旅人
第3図 泥に足を取られる姿
第4図 穴から出る人
第5図 酒食を整えた席
第6図 客を迎える洞の入口

この物語図が合う理由

需の物語図は、待つ位置を段階として見せます。遠ければ穏やかに保てますが、泥や血に近づくと危うくなります。待つ技術がこの卦の中心です。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初九 陽爻

爻辞:郊に需つ。恒を用うるに利ろし。咎なし。

読み:危うさはまだ遠くにあります。いつもの道を保ち、急がなければ咎はありません。

九二 陽爻

爻辞:沙に需つ。小しく言あり。終に吉。

読み:砂辺まで近づくと、少し言葉の波が起こります。小さな評判に動かされなければ、最後は吉です。

九三 陽爻

爻辞:泥に需つ。寇の至るを致す。

読み:危うい場所に近づきすぎています。待つつもりでも、泥に入れば余計な害を招きます。

六四 陰爻

爻辞:血に需つ。穴より出づ。

読み:すでに険の中です。勝つことより、まず穴から出ることを優先します。

九五 陽爻

爻辞:酒食に需つ。貞吉。

読み:中正の位置で、落ち着いて待てます。身と場を養い、正しさを守れば吉です。

上六 陰爻

爻辞:穴に入る。速かならざる客三人来る。これを敬すれば終に吉。

読み:穴に入り、思いがけない客が来ます。思いがけない助けを敬って迎えれば、終わりは吉です。