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59
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易経第 59 卦

風水渙 · 散らばりをほどき中心へ集める

渙は、水の上に風が行く卦です。固まっていたものが散り、隔たりがほどけます。散ることは失うだけではなく、滞りを解き、王が廟に至るような中心へ戻す働きでもあります。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第59卦 渙の物語図。水の上を渡る強い風。 水の上を渡る強い風

読卦への応用

第59卦 渙が示すこと

渙は、水の上に風が行く卦です。固まっていたものが散り、隔たりがほどけます。散ることは失うだけではなく、滞りを解き、王が廟に至るような中心へ戻す働きでもあります。 渙は、分散、解散、緊張の解け、共同体の再結集を読む卦です。強い馬で救う初め、机へ走って悔いを亡ぼす時、自分を渙す時、群れを渙して丘を得る時、大号を汗のように発する時、血を遠ざける終わりがあります。読卦では、何を散らし、どこへ集め直すかを見ます。

  • 第59卦 渙は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「散らばりをほどき中心へ集める」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 渙は、水の上に風が行く卦です。固まっていたものが散り、隔たりがほどけます。散ることは失うだけではなく、滞りを解き、王が廟に至るような中心へ戻す働きでもあります。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 渙は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

渙は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

渙は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第59卦 渙を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 59 卦を文脈の中で読む

第 59 卦 よくある確認

第59卦 渙は何を意味しますか。

「散らばりをほどき中心へ集める」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。渙は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

渙に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

渙の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:渙。亨る。王、廟に仮る。大川を渉るに利ろし。貞に利ろし。

読み:渙は通ります。王が廟に至ります。大川を渉るに利があり、正しさに利があります。散ったものを、誠ある中心へ集め直します。

象伝

象伝:風、水上に行く、渙。先王以て帝に享し廟を立つ。

読み:風が水の上を行きます。古の先王はこの象を見て、帝に享し、廟を立てます。散る力を、礼と中心へ結び直します。

読卦の要点

卦の働き

渙は、分散、解散、緊張の解け、共同体の再結集を読む卦です。強い馬で救う初め、机へ走って悔いを亡ぼす時、自分を渙す時、群れを渙して丘を得る時、大号を汗のように発する時、血を遠ざける終わりがあります。読卦では、何を散らし、どこへ集め直すかを見ます。

上下の八卦

下卦は坎、上卦は巽です。内には水の険、外には風の入りこむ働きがあります。風が水面を渡り、固まったものをほぐします。

上卦:巽(風) 入りこむはたらき
下卦:坎(水) 険を通る流れ

物語図

物語では、風が川面を渡り、霧がほどけて廟への道が見えます。使者は大号を発し、人々はばらばらの群れを離れて丘へ集まり、血の危うさから遠ざかります。

第1図 水の上を渡る強い風
第2図 霧の先に現れる廟
第3図 大川を渡る小舟
第4図 机へ走って戻る人
第5図 丘へ集まり直す群れ
第6図 血の危うさから遠ざかる道

この物語図が合う理由

渙の物語図は、風と水、廟、大川、丘、大号を通して、散らすことと集め直すことの両方を描きます。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初六 陰爻

爻辞:用て拯うに馬壮んなり。吉。

読み:強い馬で救います。吉です。散り始めた時、すばやい助けが働きます。

九二 陽爻

爻辞:渙してその机に奔る。悔亡ぶ。

読み:渙して机へ走ります。悔いは亡びます。頼るべき場へ戻ります。

六三 陰爻

爻辞:その躬を渙す。悔なし。

読み:自分自身を渙します。悔いはありません。固まった自我をほどきます。

六四 陰爻

爻辞:その群を渙す。元吉。渙して丘あり。夷の思うところにあらず。

読み:その群れを渙します。大いに吉です。渙して丘があります。平凡な思いを超えた集まり直しです。

九五 陽爻

爻辞:渙汗、その大号。渙、王居す。咎なし。

読み:汗のように大号を発します。渙して王が居ます。咎はありません。散ったものへ中心から言葉が届きます。

上九 陽爻

爻辞:その血を渙す。去り逖く出づ。咎なし。

読み:血の危うさを渙します。去って遠ざかり、外へ出ます。咎はありません。傷つく場から離れます。