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易経第 63 卦

既済

水火既済 · 成った後こそ乱れを防ぐ

既済は、火の上に水がある卦です。ものごとはすでに渡り終え、形は整っています。しかし完成は終わりではなく、そこから乱れが生じます。成った後こそ、患いを思って備えます。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第63卦 既済の物語図。尾を少し濡らす小狐。 尾を少し濡らす小狐

読卦への応用

第63卦 既済が示すこと

既済は、火の上に水がある卦です。ものごとはすでに渡り終え、形は整っています。しかし完成は終わりではなく、そこから乱れが生じます。成った後こそ、患いを思って備えます。 既済は、完了、安定、契約後、達成後の管理を読む卦です。輪を曳き尾を濡らす初め、茀を失って七日に得る時、鬼方を三年で克つ大事、終日戒める時、東隣の牛より西隣の質素な祭りが福を受ける時、首を濡らす終わりがあります。読卦では、成った後に何を守り続けるかを見ます。

  • 第63卦 既済は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「成った後こそ乱れを防ぐ」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 既済は、火の上に水がある卦です。ものごとはすでに渡り終え、形は整っています。しかし完成は終わりではなく、そこから乱れが生じます。成った後こそ、患いを思って備えます。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 既済は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

既済は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

既済は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第63卦 既済を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 63 卦を文脈の中で読む

第 63 卦 よくある確認

第63卦 既済は何を意味しますか。

「成った後こそ乱れを防ぐ」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。既済は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

既済に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

既済の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:既済。亨ること小なり。貞に利ろし。初めは吉、終わりは乱る。

読み:既済は、小さく通ります。正しさに利があります。初めは吉ですが、終わりは乱れます。整った後の油断を戒めます。

象伝

象伝:水、火の上に在り、既済。君子以て患いを思いてこれを豫め防ぐ。

読み:水が火の上にあります。君子はこれを見て、患いを思い、あらかじめ防ぎます。完成した形の内に、次の乱れを見ます。

読卦の要点

卦の働き

既済は、完了、安定、契約後、達成後の管理を読む卦です。輪を曳き尾を濡らす初め、茀を失って七日に得る時、鬼方を三年で克つ大事、終日戒める時、東隣の牛より西隣の質素な祭りが福を受ける時、首を濡らす終わりがあります。読卦では、成った後に何を守り続けるかを見ます。

上下の八卦

下卦は離、上卦は坎です。内には火の明るさ、外には水の険があります。水と火がそれぞれの位置にあり、秩序は成っていますが、緊張も残ります。

上卦:坎(水) 険を通る流れ
下卦:離(火) 明らかに照らすこと

物語図

物語では、川を渡り終えた車が輪を曳き、尾を少し濡らします。婦人は飾りを失っても七日で得、王は遠い地を三年で克ち、最後に首を濡らす者は完成後の危うさを示します。

第1図 火の上に置かれた水
第2図 渡り終えて輪を曳く車
第3図 尾を少し濡らす小狐
第4図 七日で戻る失われた飾り
第5図 終日戒める見張り
第6図 首を濡らして立つ人

この物語図が合う理由

既済の物語図は、渡り終えた車、濡れた尾、失われた茀、質素な祭りを通して、成就の後に残る緊張を描きます。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初九 陽爻

爻辞:その輪を曳く。その尾を濡らす。咎なし。

読み:輪を曳き、尾を濡らします。咎はありません。渡り終えても、まだ慎みが残ります。

六二 陰爻

爻辞:婦、その茀を喪う。逐う勿れ。七日にして得。

読み:婦人が車の飾りを失います。追ってはいけません。七日で得ます。失ったものは時を置いて戻ります。

九三 陽爻

爻辞:高宗、鬼方を伐つ。三年にしてこれに克つ。小人は用うる勿れ。

読み:高宗が鬼方を伐ち、三年で克ちます。小人を用いてはいけません。成った後の大事には人選が要ります。

六四 陰爻

爻辞:繻に衣袽あり。終日戒む。

読み:美しい布にもぼろ布の備えがあります。終日戒めます。整ったものにも補いを用意します。

九五 陽爻

爻辞:東隣の牛を殺すは、西隣の禴祭の、実にその福を受くるに如かず。

読み:東隣が牛を殺す大きな祭りは、西隣の質素な祭りが実際に福を受けることに及びません。形より誠です。

上六 陰爻

爻辞:その首を濡らす。厲うし。

読み:首を濡らします。危うい時です。渡り終えたと思った後で、深く水に入っています。