六十四卦一覧
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易経第 8 卦

水地比 · 親しみ集まること

比は、人や流れが親しみ集まる卦です。誰と結ぶか、何を中心に集まるか、遅れて来るものをどう扱うかが問われます。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第8卦 比の物語図。三方を空けた狩り。 三方を空けた狩り

読卦への応用

第8卦 比が示すこと

比は、人や流れが親しみ集まる卦です。誰と結ぶか、何を中心に集まるか、遅れて来るものをどう扱うかが問われます。 比は、孤立を解き、信頼できる中心へ集まる卦です。ただし、親しみは迎合ではありません。内からの誠、外へ開く態度、誰を中心に据えるかが大切です。遅れて形だけ加わると、その場には真に入れません。

  • 第8卦 比は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「親しみ集まること」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 比は、人や流れが親しみ集まる卦です。誰と結ぶか、何を中心に集まるか、遅れて来るものをどう扱うかが問われます。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 比は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

比は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

比は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第8卦 比を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 8 卦を文脈の中で読む

第 8 卦 よくある確認

第8卦 比は何を意味しますか。

「親しみ集まること」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。比は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

比に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

比の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:比、吉。原筮(はらいぜい)し、元(おお)いに永く貞(ただ)しければ咎なし。寧からざるもの方に来る。後夫は凶。

読み:親しみ集まることは吉です。ただし、根本から問い直し、長く正しく保てる中心があるかを確かめます。遅れすぎる者には凶があります。

象伝

象伝:地上に水あり、比。先王以て万国を建て、諸侯を親しむ。

読み:地の上を水が流れ、互いに近づきます。先王は国々を建て、諸侯と親しむことで、まとまりを形にしました。

読卦の要点

卦の働き

比は、孤立を解き、信頼できる中心へ集まる卦です。ただし、親しみは迎合ではありません。内からの誠、外へ開く態度、誰を中心に据えるかが大切です。遅れて形だけ加わると、その場には真に入れません。

上下の八卦

下卦は坤、上卦は坎です。内には地の受容、外には水の流れがあります。広い受け皿の上に、水が集まって一つの流れを作ります。

上卦:坎(水) 険を通る流れ
下卦:坤(地) 受けとめる厚み

物語図

土器に満ちる誠、内からの親しみ、外へ向かう親しみ、王の狩り、首を失った群れが物語を作ります。比は、つながりの質を問います。

第1図 地上を流れ合う水
第2図 誠が満ちる土器
第3図 内側から差し出す手
第4図 外へ開かれた門
第5図 三方を空けた狩り
第6図 先頭を失った群れ

この物語図が合う理由

比の物語図は、水と人が集まる場を通して、親しみが自然に生まれるだけでなく、中心と時機を必要とすることを示します。遅れた結合は形だけになりがちです。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初六 陰爻

爻辞:孚ありてこれに比す。咎なし。孚ありて缶に盈つれば、終に来りて他の吉あり。

読み:誠をもって親しめば咎はありません。土器に満ちるほどの信があれば、思いがけない吉も来ます。

六二 陰爻

爻辞:これに比すること内よりす。貞吉。

読み:内側から自然に親しみます。外の圧力ではなく、心の正しさから結ぶので吉です。

六三 陰爻

爻辞:これに比する、人にあらず。

読み:親しむ相手がふさわしくありません。つながりたい思いだけで相手を選ぶと、中心を失います。

六四 陰爻

爻辞:外にこれに比す。貞吉。

読み:外へ出て、正しい相手と親しみます。内に閉じず、節度をもって結ぶなら吉です。

九五 陽爻

爻辞:比を顕らかにす。王三駆して前禽を失う。邑人誡めず、吉。

読み:親しみが明らかです。王は三方から狩り、逃げるものは追いません。無理に囲わない開かれた中心が吉です。

上六 陰爻

爻辞:これに比するに首なし。凶。

読み:親しもうとしても、先頭となる中心がありません。遅れすぎ、形だけになると凶です。