六十四卦一覧
41
山沢損
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易経第 41 卦

山沢損 · 減らして本質を養う

損は、山の下に沢がある卦です。減らすことは、ただ失うことではありません。余分を引き、怒りと欲を抑え、少ないものを誠実に用いる時、かえって大切なものが養われます。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第41卦 損の物語図。怒りを収める人の手。 怒りを収める人の手

読卦への応用

第41卦 損が示すこと

損は、山の下に沢がある卦です。減らすことは、ただ失うことではありません。余分を引き、怒りと欲を抑え、少ないものを誠実に用いる時、かえって大切なものが養われます。 損は、費用、期待、こだわり、欲を減らす卦です。急いで助ける初め、損せず益すること、一人になって友を得ること、疾を減らすことが分かれます。読卦では、何を減らせば誠が通るのかを見ます。

  • 第41卦 損は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「減らして本質を養う」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 損は、山の下に沢がある卦です。減らすことは、ただ失うことではありません。余分を引き、怒りと欲を抑え、少ないものを誠実に用いる時、かえって大切なものが養われます。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 損は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

損は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

損は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第41卦 損を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 41 卦を文脈の中で読む

第 41 卦 よくある確認

第41卦 損は何を意味しますか。

「減らして本質を養う」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。損は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

損に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

損の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:損。孚あり。元吉、咎なし。貞にすべし。往くところあるに利ろし。曷をかこれ用いん。二簋もって享すべし。

読み:損には誠があります。大いに吉で咎はなく、正しさを守るべきです。進むところに利があります。何を用いるかといえば、二つの簋(き:祭器)だけでも捧げるに十分です。

象伝

象伝:山下に沢あり、損。君子以て忿を懲らし欲を窒ぐ。

読み:山の下に沢があります。君子はこれを見て、怒りを懲らし、欲をふさぎます。減らすべきものを減らすことで、内の余白をつくります。

読卦の要点

卦の働き

損は、費用、期待、こだわり、欲を減らす卦です。急いで助ける初め、損せず益すること、一人になって友を得ること、疾を減らすことが分かれます。読卦では、何を減らせば誠が通るのかを見ます。

上下の八卦

下卦は兌、上卦は艮です。内には沢の悦び、外には山の止まりがあります。悦びを止めて整えるため、むやみに満たすより節度が働きます。

上卦:艮(山) 止まり、養うこと
下卦:兌(沢) 開き、親しむこと

物語図

物語では、山のふもとの小さな祭壇に、二つの器だけが供えられます。豪華ではなくても、怒りと欲を下ろした手から差し出されるものには、十分な誠があります。

第1図 山の下に静まる沢
第2図 二つの器を置く祭壇
第3図 怒りを収める人の手
第4図 三人の道から離れる一人
第5図 疾を軽くする清い水
第6図 家を持たず仕える臣

この物語図が合う理由

損の物語図は、少なくすることを貧しさではなく整えとして描きます。二つの器、減らされる疾、十朋の亀、家を持たない臣が、損の働きを支えます。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初九 陽爻

爻辞:事を已めて遄かに往く。咎なし。酌みてこれを損す。

読み:自分の事を止め、速やかに往きます。咎はありません。ただし、どれだけ減らすかは酌みます。

九二 陽爻

爻辞:貞に利ろし。征けば凶。損せずしてこれを益す。

読み:正しさに利があります。攻めて進めば凶です。むやみに損なわず、かえって益します。

六三 陰爻

爻辞:三人行けば則ち一人を損す。一人行けば則ちその友を得。

読み:三人で行けば一人を損ないます。一人で行けば友を得ます。多さより、釣り合う関係が大切です。

六四 陰爻

爻辞:その疾を損す。遄かならしめれば喜あり。咎なし。

読み:疾を減らします。速やかにすれば喜びがあり、咎はありません。ためらわず軽くします。

六五 陰爻

爻辞:或いはこれを益す、十朋の亀。違う克わず。元吉。

読み:誰かが十朋の亀で益します。拒むことはできません。大いに吉です。損の中に大きな助けが来ます。

上九 陽爻

爻辞:損せずしてこれを益す。咎なし。貞吉。往くところあるに利ろし。臣を得て家なし。

読み:損なわずに益します。咎はなく、正しければ吉です。進むところに利があり、家に縛られない臣を得ます。