六十四卦一覧
45
沢地萃
上卦
下卦

易経第 45 卦

沢地萃 · 集まりを整え中心を立てる

萃は、沢が地の上にある卦です。人やものが集まります。集まりには喜びがありますが、中心を立て、廟に至り、思いがけないことへの備えを置く必要があります。

本卦 · 卦辞 · 象伝 · 六爻 · 読卦

第45卦 萃の物語図。涙をぬぐう最後の人。 涙をぬぐう最後の人

読卦への応用

第45卦 萃が示すこと

萃は、沢が地の上にある卦です。人やものが集まります。集まりには喜びがありますが、中心を立て、廟に至り、思いがけないことへの備えを置く必要があります。 萃は、会合、共同体、祭り、組織の中心を読む卦です。誠が終わらず乱れる初め、引かれて吉となる中、嗟きながら集まる時、大きな位に集まる時があります。読卦では、何を中心に集まり、どんな備えが必要かを見ます。

  • 第45卦 萃は、日々の選択とふるまいに戻しながら、「集まりを整え中心を立てる」というテーマを読む卦です。
  • 卦辞、象伝、上下の八卦を合わせて見て、場全体の形を先に受けとめます。
  • 変爻がある時は、本卦から之卦へ急がず、動いている爻の声を中心に読みます。

この卦が現れる時

  1. 場の形を静かに見直す時です。 萃は、沢が地の上にある卦です。人やものが集まります。集まりには喜びがありますが、中心を立て、廟に至り、思いがけないことへの備えを置く必要があります。
  2. すぐ結論にせず、応じ方を整えます。 萃は、何が起きるかを決めつけるためではなく、いまの態度、間合い、次の一手を澄ませるために現れます。
  3. 変爻がある時は重みがそこに集まります。 6 または 9 の爻は、すでに動き始めている場所です。本卦を読んだうえで、その爻を確かめ、最後に之卦を変化の向きとして添えます。

この卦をどう活かすか

人との関わり

萃は、相手を動かす読みではなく、関係の中で自分がどの姿勢を保つかを照らします。近づく、待つ、支える、境を置くなど、卦の調子に合う距離を選びます。

仕事と決定

まず本卦の形から、急ぐべき所と整えるべき所を分けます。変爻があるなら、そこを実務上の焦点とし、之卦は確定した結果ではなく次に開く気配として扱います。

内面の稽古

萃は、外の出来事だけでなく、心の癖、待ち方、言葉の選び方を映します。読卦を一つの小さな実践へ戻すことで、卦は日常の稽古になります。

文脈とつまずきやすい所

  • 第45卦 萃を、必ずこうなるという告げごととして扱わないこと。卦は場の形と応じ方を示します。
  • 変爻を飛ばして之卦だけで結論にしないこと。動いている爻が、読卦のもっとも具体的な手がかりです。
  • 都合のよい一文だけを抜き出さず、卦辞、象伝、六爻、上下の八卦を同じ場の中で読み合わせること。

第 45 卦を文脈の中で読む

第 45 卦 よくある確認

第45卦 萃は何を意味しますか。

「集まりを整え中心を立てる」を手がかりに、いまの場の形とふるまいの調子を読みます。萃は結論を急がせる卦ではなく、まず本卦の働きを落ち着いて見るための入口です。

萃に変爻がある時はどう読みますか。

本卦を先に読み、次に変爻の本文を確かめます。複数の変爻がある場合も、急いで一つにまとめず、どの位置で何が動いているかを見てから之卦を添えます。

萃の之卦は未来を表しますか。

之卦は決まった未来ではありません。変爻が動いた時に開く方向や、場の移り方を示す補助の卦として読みます。

本文

卦辞と象伝

卦辞

卦辞:萃。亨る。王、廟に仮る。大人を見るに利ろし。亨る。貞に利ろし。大牲を用うれば吉。往くところあるに利ろし。

読み:萃は通ります。王が廟に至ります。大人を見ることに利があり、正しさに利があります。大きな犠牲を用いれば吉で、進むところにも利があります。

象伝

象伝:沢、地上にあり、萃。君子以て戎器を除め、不虞を戒む。

読み:沢が地の上にあります。君子はこれを見て、戎器を整え、思いがけない事に備えます。集まりの中では、喜びと備えをともに持ちます。

読卦の要点

卦の働き

萃は、会合、共同体、祭り、組織の中心を読む卦です。誠が終わらず乱れる初め、引かれて吉となる中、嗟きながら集まる時、大きな位に集まる時があります。読卦では、何を中心に集まり、どんな備えが必要かを見ます。

上下の八卦

下卦は坤、上卦は兌です。内には地の受ける力、外には沢の悦びがあります。広い受け皿に人が集まり、悦びが上に現れます。

上卦:兌(沢) 開き、親しむこと
下卦:坤(地) 受けとめる厚み

物語図

物語では、広場に人々が集まり、祖廟へ向かいます。笑いも涙もありますが、長老は供えを整え、門のそばには備えの道具を置いて、集まりを乱れから守ります。

第1図 地上に集まる沢の水
第2図 祖廟へ向かう王の列
第3図 広場に集う人々
第4図 小さな供えを捧げる手
第5図 門脇に整えられる戎器
第6図 涙をぬぐう最後の人

この物語図が合う理由

萃の物語図は、広場、廟、供え、備えを通して、集まる力の中心を描きます。握って笑う初め、禴祭、嗟き、涙が、集まりの不安定さも示します。

六爻

爻は下から上へ読みます。変爻がある読卦では、その本文を本卦の中で読み、必要に応じて之卦との関係を見ます。

初六 陰爻

爻辞:孚ありて終らず、乃ち乱れ乃ち萃まる。若し号べば、一握して笑いと為る。恤うる勿れ、往けば咎なし。

読み:誠はありますが終わりません。乱れてから集まります。号べば、一握りして笑いとなります。憂えず往けば咎はありません。

六二 陰爻

爻辞:引けば吉、咎なし。孚ありて乃ち禴を用うるに利ろし。

読み:引かれて行けば吉で、咎はありません。誠があれば、質素な祭りにも利があります。

六三 陰爻

爻辞:萃如たり嗟如たり。利ろしきところなし。往けば咎なし、小しく吝。

読み:集まりながら嗟きます。利のあるところはありません。往けば咎はありませんが、少し吝です。

九四 陽爻

爻辞:大吉、咎なし。

読み:大いに吉で、咎はありません。集まる力を正しく受けています。

九五 陽爻

爻辞:萃、位あり。咎なし。孚とせられず。元永貞なれば悔亡ぶ。

読み:集まりに位があります。咎はありません。信じられなくても、大きく永く正しければ悔いは亡びます。

上六 陰爻

爻辞:齎咨(さいし:嘆く)涕洟(ているい:涙と鼻水)す。咎なし。

読み:嘆き、涙と鼻水を流します。集まりの終わりに悲しみがありますが、咎はありません。